四刃チャック
そろそろ、三刃チャックの限界を感じ始めてきたので、
四刃チャックに交換する事にした。
どうして4本のチャックが独立して動くのかという事が分かる写真を載せる。
取り付け前に、チャックがスムーズに動くか確認した方がいい。
一カ所、動きがおかしいところがあった。回転ネジにバリが出ていて、
半泣きになりながらルーターで気持ちけずった。あちこちバリが出ている。
精度に影響が出ない程度にルーターでけずった。
何回か、動かしているうちに、次第に動くようになった。
動かしながら、バリをけずりとったような感じ。。。いいのか、こんなんで
イモネジをねじ込んで、ナットで挟む構造。
イモネジをどこまで入れるか記載ない。
とりあえずノギスで18.5ッmにあわせた。
交換の時は布をしけと取り扱い説明書にかいてあった。
ナットが堅い、ちよっとやそっとでは、はずれないと判明。
付属品の安いスパナではなく、ちゃんとしたスパナを買ってこようと思った。
突っ切りバイトによる加工(真鍮)
永尾研究所の正面突っ切りバイトで、真鍮丸棒の正面突っ切り作業を行った。
アルミの場合と同じ要領で、びびらなくなるポイントを探した。
回転中心から外れた所で、突っ切ろうすると、どうやっても盛大にビビリ音が聞こえた。
びびった時の切り子は、こんなかんじ、
針のような細い切り子で、切削中に強烈にワークが振動するので、切り子がつながっていかないというのが
よくわかる。
いろいろ試してみると、回転中心で突っ切りと、ビビリ音が、ぴたりとやむ事がわかった。
この時、アルミと同じ形状の切り子がでた。
アルミの時も、こういう傾向があったので(中心ほど音が小さい)これは、突っ切りバイトの特性かもしれない。
いろいろ原因を考えると、もしかして、これは、主軸の剛性の問題?という点にいきついた。
主軸の剛性がひくければ、回転中心からはずれた所を強く押せば、当然たわむ。
このたわみが、ビビリを発生させているのではないかと考えた。
そこで、加工面積が小さい(細い刃)を使って加工してみた。
永尾研究所の小さな突っ切りバイト、真鍮用を使った。
刃幅約1mm、昨日のアルミよりもさらに回転速度をおとした。
すると確かに、びびらないポイントがあった!
幅1mmで深さ1cmくらいまで楽に加工できた。加工例と、そのときの切り子
でかいバイトでも、刃幅を全部使わずに1mmくらいの幅で切り込んでいけば、びびらない。
ただ単に中心からくりぬくというのなら、普通の正面突っ切りバイトでOKだ。
突っ切りバイトによる加工
小型旋盤で一番苦労するのが、突っ切りだろう。突っ切りには、正面突っ切りと、側面からの突っ切りがあるようだ、一般的にいわれている突っ切りというと側面からの突っ切りをさすらしい。突っ切りで一番苦労したのは、ビビリをいかにおさえるかという事だった。条件が悪いと、強烈なびびり音が出る。しかも切れない。うまくけずるポイント(まだ、アルミしか条件が出ていないのだが、、、)は、ワークの回転速度を遅くして、切り子を見ながら、送り速度を若干早くするという点だ。フルセット3000円で買った。中国製安物バイトセットでも、突っ切りだけは、そこそこ使える(幅が広すぎて細かい加工には不向きだが、、、)ワークの回転速度が速いと、切れるが強烈なビビリ音が出るので、ビビリ音ができるだけ小さくなるように、主軸回転速度を落とす、え、こんなに?という程度まで落としてけずった。(400〜500程度)音が小さくなったところで、帯状のつながった切り子が出ている事を確認してから、送り速度を若干早くする。すると、ある所で、ビビリ音が消えて、おいおいまじかよ、というくらいサクサク切れるポイントがある。切れるというか、リンゴの皮むきに近い、このポイントを探すのが、非常に微妙。切れるバイトを使っても、主軸回転速度と、送り速度のバランスが悪いと全然切れない。写真は正面突っ切りの加工例とうまくいった時の切り子。正面突っ切りは永尾研究所のアルミ用正面突っ切りバイトを使った。小さなワーク用には最適なバイトだと思う。
永尾研究所の、小さな突っ切りバイトと、正面突っ切りバイト、赤いのが安物の中国製バイトセット付属のもの(ヤフオクで3000円)余談だが、中国製のバイトは、普通のショップでは1万で売られている。全体的に作りが適当なので、全くお勧めできない。(11本セットで、まともに使えたのは、写真に写っている正面突っ切りバイトくらい)卓上旋盤用のφ100以下のワークでは、刃が大きすぎてグラインダーで削る所からはじめないといけないし、とにかく大変だ。バイトは永尾研究所がお勧め。永尾の小さな突っ切りバイトは本当に小さくて、1mmくらいの幅の切り込みができる。しかし、切り込み角度が曲がっていたりすると、ガキッという音がして、刃先がかける場合がある。刃先がかけたら、オイルストーンで、軽く先端を研磨してやると、再び使える。切り子が刃先につまっても同じ状況になるので注意。、
参考文献(貴重)
今まで、全く知らなかったのだが、ひょんな事からパワー社という出版社を知った
パワー社は、日本で唯一の機械設計の本を売っている会社だ。
機械工学の本は、ごまんとあるが、実際にどうやって設計するのか。
たとえば、ボール盤の主軸にどういうベアリングを使って、主軸の太さは
何ミリで、材質はこれこれ、こういう物質、寸法公差はこの程度。
という具合に具体的に設計するには、力学だけが分かっても意味がない。
パワー社の本は、実際に設計する事を通して、どうやって設計するのかを
勉強できる仕組みになっている。この手の本に関しては、おそらく日本で唯一だろう。
ここで、今は絶版ではあるが、旋盤の設計法を書いた、旋盤の設計製図という
本を格安で手に入れた。
工作機械というのは、機械設計の基本だ。
お手本といってもいい。
パワー社の本には、旋盤、ボール盤、プレス機、ポンプ、バルブなど
絶対に知りたい(どうやって設計したのか)情報が、きっちりとした
図面と、説明、計算書つきで書いてある。
こういう本を使って勉強しないと、設計力なんかつかないと思うのだが、この本を
持っている、設計屋さんを見た事がない。
大学教授の書いたくだらない本は、すぐさま捨てて、パワー社の本を読もう!
スライドテーブル分解1
コンパクト7の一番の利点は構造が簡単なので、メンテしやすいという事だ。機械をばらしてみると、加工精度を出すには、どうすれば良いのかが、わかってくる。(これについては日をあらためて)。SEAG社の旋盤は、C1,C2,C3とあって、C3はかなりおおきくなるが、刃物台等の基本構造は、どれも一緒だ。旋盤にとどまらず、フライス盤についても同じ構造なので、これから書く事は、フライス盤の調整にも、訳に立つだろう。
刃物台のネジがゆるんでしまって、やむなく分解した時の内部構造の詳細をレポートする。なぜゆるんだのかというのが、分解すると、よくわかる。
構造を明確にするために、はずさなくて良い部分もはずしてしまった。
横送りのテーブルはどうすればはずれるのか?というのが1枚目を見るとよくわかる。答えは簡単で、ハンドルをずーっとまわしていくと、勝手にはずれる。実に単純、すばらしい!ここで注意するのは、テーブルの斜めの溝の片側に入っている カミソリ(かなり堅い金属)が、イモネジで抑えられているだけで、ぽろっとはずれる(カミソリはネジで側面を押されるだけで、ネジ止めされていない)はずれたのには、上下があるので(ネジの跡で判断)注意
2枚目を見ると、中央にゆるんだネジ(金色の砲丸の四角いパーツ)が見える。砲丸を固定しているのは、刃物台の下からのネジなので、刃物台ごとはずさないと、駄目というのが、この時点でわかった。(カミソリの調整はやっかいなので、横スライドテーブルははずさない方が本当は良いという事も後からわかった)
ここで、なぜネジがゆるんだのか、、、だが、これは、砲丸のパーツとボールネジの位置関係が悪いから(ここが中国!)という事がわかった。この2つのパーツの位置関係がわるいと、ハンドルを1回転させる時に、半分までは、軽くて、もう半分まわすと重くなる。つまり片当たりが発生する。片当たりが発生すると、砲丸のパーツは、一方向に常に押される事になるので、この横方向の力により、ネジがゆるむというからくりだ。(ここの調整方法は後術)
刃物台ごとはずさないといけないとなると、勇気がいる。しかし、ゆるんでしまったからには、はずすしかない。